誰もが一度はかかるといわれる「おたくふくかぜ」。
麻疹など他の小児期における感染症と比較すると、軽い症状で終わる場合が多いのでワクチン接種をすべきか否かは、議論のあるところでした。
でも、たかがおたくふかぜといえども、中枢神経系や聴覚・睾丸・卵巣などの臓器が侵されたときには重症となる例が多く、場合によっては後遺症が残る危険性もあります。また、免疫を持たない成人がかかると重症になりやすく、単に子供の軽い病気と侮るわけにはいきません。
そこでおすすめなのが、おたふくかぜワクチン。弱められたおたふくかぜウイルスの生ワクチンで、1回の接種で90%以上の割合で免疫を獲得できます。
子どもはもちろん、まだおたくふかぜにかかったことのない大人も上に書いたようなリスクを避けるために、接種を受けることをおすすめします。
なおワクチンの副反応としては、おたふくかぜの症状である耳から下側の耳下腺の腫れが1%前後に認められます。また、無菌性髄膜炎も、ワクチン接種後2週間から3週間に約1万人に1例の割合で認められます。しかし、どちらも自然のおたふくかぜの感染による合併症と比べればはるかに低い頻度ですから、おたふくかぜにかかりやすい年齢、特に10歳までにワクチン接種を済ませることが望まれます。