細菌が脳を覆う髄膜に侵入し炎症を起こす「細菌性髄膜炎」。脳性まひなど重い後遺症が残ったり、死亡したりすることもあります。少なくとも年間600人以上、ある調査では約1000人近くの子どもが発症し、約5%が死亡、約25%に手足のまひや発達の遅れ、難聴、てんかんなどの後遺症がみられます。
この細菌性髄膜炎の半数以上が、「Hib(ヒブ)」を原因とするものです。Hibは、「真正細菌であるインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型」の略称です。冬場に流行するインフルエンザ(流行性感冒)のインフルエンザウイルスとは別のものです。
Hibによる感染症を未然に防ぐのが、「Hibワクチン」。2008年12月に任意接種(自費)がスタートしました。
生後2ヶ月から7ヶ月までの赤ちゃんに接種する場合は、4週間から8週間の間隔で3回、追加免疫として3回目の接種から約1年後に1回、計4回接種になります。生後7ヶ月から12ヶ月未満までの赤ちゃんの場合は、同じく4週間から8週間間隔で2回、追加免疫として2回目の接種から約1年後に1回の計3回接種です。1歳を越えると追加免疫はなく、1回だけでOKです。
副作用は、他のワクチン接種と同じく、通常は注射した部分の一時的な赤みや腫れくらいで、数日で消えてしまいます。